温泉熱で融雪 「夢元さぎり湯」通用口、エコシステムを導入【登別】
温泉湯の供給や管工事を手がける登別温泉株式会社(登別市)は、運営する公衆浴場「夢元さぎり湯」の通用口階段(5・9平方メートル)に、同館内から排出される温泉換気廃熱を活用した融雪システムを設置した。従業員らの安全対策を図ったほか、二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつなげた。
同社ではこれまで、有線式の融雪マットで冬期間の凍結対策を講じてきた。しかし、マットが階段のサイズに合っていなかったり、溶け切らず、滑って転倒するリスクがあった。
同社は解決に向け、市が進めるゼロカーボンシティ重点対策加速化事業に着目。環境省の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用した、市温泉熱活用融雪システム普及促進補助金によるシステム導入を決めた。
システムは、設置工事で実績のある環境や建材事業のアール・アンド・イー(登別)の廃熱空気を利用するエコ融雪システム「RE(リ)メルト」を採用した。
リメルトは、コンクリートの下に穴の空いたパイプを埋設し、廃熱を放出して雪を溶かす。熱交換での利用が難しい低温域(20~30度)の廃熱でも利用できるなどの特徴がある。稼働時は廃熱をパイプに送る送風機を回す電力のみのため、従来のロードヒーティングに比べて排出するCO2やコスト削減にもつながる。
設置工事は昨年12月上旬に実施。登別温泉株式会社によると、大雪に見舞われた日でも間口や階段の雪が全て溶けているため「歩きやすくなった」などの反響があるという。
同社は今後、コスト面の検証を行うという。大宮一哉取締役営繕部長は「他の場所についても設置が可能かどうか、該当箇所含めて検討していきたい」と話した。
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