【根室】国の天然記念物「車石」を有する花咲灯台周辺に大量の不法投棄が見つかった。根室十景に数えられ、基幹産業の拠点でもある同地への不法投棄に、市は根室署へ被害届を出す一方、ごみの中に身元を特定するものがないか、確認作業を行っている。

　不法投棄が見つかったのは花咲港２番地の花咲灯台駐車場近く。根室海上保安部が昨年末に洋上から確認し根室市に通報した。ごみは花咲港のマイナス１０㍍岸壁から約３０㍍の高台に位置する駐車場から崖下に向けて投げ込まれた模様だ。

　市港湾課が改めて確認したところ、駐車場から崖下の砂浜まで、子供向けの小物入れや衣装ケース、籠など家庭ごみと見られるものが点在している。本来は投棄者が担うごみの処分だが、観光地でもあり市が代行する。市港湾課によると潮の干満状況を見ながらごみを撤去する方針。

　すでに不法投棄として根室署に届け出ており、鈴木勝彦課長は「根室市は景観を売りにしており、景観を楽しむ観光地への投棄は悲しく残念。厳しく対処したい」と話している。

花咲灯台近くで見つかった不法投棄の現場（１９日、根室市港湾課提供）