中村さんのビニールハウスで刈り入れを待つ「一番ニラ」

　【知内】「北の華」のブランド名で知られる道内一のニラ産地、知内町で「一番ニラ」の収穫が進んでいる。今季は日照時間にも恵まれてビニールハウス内では青々とした葉が順調に伸び、甘い香りを漂わせる。生産者は「品質は１２０％の仕上がり。〝日本一のニラ〟を味わって」と太鼓判を押す。

　通年出荷の知内のニラは道内生産量の約７割を占める。一番ニラは夏場から秋にかけて株の養生期間を設け、１１月以降はビニールハウスの温湿度管理のみで生育させて最初に伸びてきたニラ。出荷サイズの５０センチほどになる年明けからが収穫時期となる。

　３０棟のハウスで作付けしている町森越の中村健太郎さん（３５）は「畑や株の力だけで伸びてくるのが一番ニラ。食感や肉感、歯切れも色合いもいい」と話す。鍋料理で活躍する食材だが、中村さんのお薦めはあくまでニラが主人公のおひたしやニラシャブで「２束、３束と使って、たっぷりで食べて」と話す。

　ＪＡ新はこだて知内基幹支店によると、知内町ニラ生産組合（６８戸、北島道男組合長）の昨年の生産量は約１９００トン、出荷額は過去最高の約１６・１億円となった。今年は２０００トンと同程度の出荷額を目標としている。中村さんは「５０年もの生産の歴史で地域として栽培、管理方法を蓄積し、継承してきた。毎年、前年を上回るものを出すことができている」と話している。