今年度上半期の観光入り込み客数、渡島725万人に回復
桧山は89万人
渡島総合振興局と桧山振興局は、今年度上半期(4~9月)の渡島、桧山管内の観光入り込み客数をまとめた。渡島は前年同期比14・8%増の725万3800人で、新型コロナウイルス5類移行で、2019年度の9割まで回復した。桧山は同22・3%増の89万800人で、19年度の水準を超えた。
渡島は前年度より93万2500人増え、3年連続増加。内訳は道内客が同4・5%増の417万2700人、道外客が同32・4%増の308万1100人で道内客が6割近くを占めた。日帰り客は同10・9%増の517万4400人、宿泊客は同25・5%増の207万9400人だった。
月別では、コロナの5類移行で行動制限がなくなったことを背景にすべての月で前年を上回り、夏休みや盆時期の8月の伸び率が最も高かった。
市町別は木古内町がほぼ横ばいで、ほかの市町は前年から増加。北斗市は集計対象場所に市観光交流センターを加えたことで道外客が大幅に増え、同45・5%増。八雲町は「熊石あわびの里フェスティバル」を4年ぶりに開催、前年度は規模を縮小した「八雲山車行列」を通常開催し、同23・8%増となるなど、コロナ禍で中止・規模縮小していたイベント再開が増加につながった市町が多かった。
渡島の外国人宿泊客数は前年度比約39倍の16万2362人で、コロナの水際対策終了で大幅に増加したが、19年度比では6割の回復にとどまった。19年度の国・地域別の実績で台湾に次いで2番目に宿泊客数が多かった中国が、今年8月まで日本への団体旅行を規制していたことが要因とみられる。
渡島総合振興局商工労働観光課の新野琢哉観光振興係長は「行動制限がなくなり、コロナ禍で抑えていた旅行機運が上がったことが寄与した」と分析。国際航空便では今月から香港便の季節運航が始まり、来年2月には台湾便の新路線が就航予定で「下半期にかけては中国をはじめとした外国人観光客の増加に期待したい。インバウンドの受け入れ体制の整備にも引き続き取り組んでいく」とした。
桧山は、江差町が各種イベントを通常開催したのに加え、姥神大神宮渡御祭で4年ぶりに山車が巡行したことで大幅に増加し、同135・7%増の22万2500人。乙部町は、滝瀬海岸の白い断崖が続く町の観光名所「シラフラ」がSNSで注目を集め、同6・7%増の6万300人だった。