難関の電験３種に合格し喜ぶ笹川さん

合格率１０％の国家資格

　室蘭工業高校電気科３年の笹川拓真さんが第３種電気主任技術者（電験３種）に合格した。電験３種は発電所や工場、ビルなどに設置される電気設備の保守・監督を行うための国家資格。難易度の高い資格取得を果たし「働き始めると役に立つ資格なので、高校生のうちに合格することができて良かった」を笑顔を浮かべている。

　笹川さんは電気管理関係の仕事をしている父から、資格取得を勧められ、１年生の頃からコツコツと資格の勉強を始めた。「最初は何も分からなかったが、身近に先生（父）がいて良かった」と振り返る。

　当初は２年の夏に試験を受ける予定だったが、試験前日に新型コロナウイルスにかかり断念。今年２月の試験で４科目のうち、理論と機械に合格。８月に残る電力と法規の２科目をパスした。資格取得のための勉強のほか、テストや部活動、アルバイトと忙しい日々を過ごしていた。笹川さんは「すごくうれしかった。父にも祝福されて頑張ったかいがあった」と話した。

　同資格の合格率は１０％ほどで「高校在学中に取得する生徒は見たことがない、道内の工業高校の生徒を見ても非常にまれ」と同校電気科の寺島賢紀科長。

　笹川さんは電気保安協会への就職が決まっている。次は第２種電気主任技術者の取得が目標で「働きながらだと勉強する時間の確保が難しいとは思うが、気持ちを切らさず勉強していく」と話した。