カードで特殊詐欺被害防止を訴えた（左から）貝森さん、工藤さん、小西さん

　特殊詐欺の被害を防止しようと、道教育大函館校の学生３人がカードゲームを制作した。かるたのような要領で手口と被害を防ぐためのポイントを学べるように工夫した力作だ。２１日に函館市白鳥町のデイサービス、コミュニティハウスよしずみで開かれた防犯講話で施設利用者がゲームを体験した。

　ゲームを制作したのは、同校で今年５月から必修科目となった「地域プロジェクト」で、特殊詐欺被害防止対策をテーマにした２年の小西孝知さんと工藤楓也さん、貝森美紀さんの３人。函館西署が協力し、被害防止へ効果的な対策を検討してきた。　

　ゲームは、「電子マネーを送ってほしい」などの詐欺手口が書かれた手口カード、「息子や親族を名乗る」など詐欺の特徴が書かれた特徴カード、「慌てて対応しない」など被害防止のポイントが書かれた要点カードの３種類を合わせるというもの。参加者らはオレオレ詐欺、還付金詐欺、架空料金請求詐欺など、それぞれの詐欺の手口や特徴に当てはまるカードを取り合った。

　全ての当てはまるカードを取り切ると、要点カードのみ残される工夫がされており改めて警察の相談専用窓口「＃９１１０」の利用、家族に相談することなどを呼び掛けゲームを締めくくった。

　参加した同市在住の三枝綾子さん（８４）は「自分は大丈夫と思って生活していた。カードゲームを通じて知らない手口や詐欺を楽しく学べて良かった」と話した。プロジェクトメンバーの工藤さんは「参加型で楽しめる啓発を考えた。カードゲームを通じて今後の防犯意識の高まりにつながれば」と力を込めた。