厚真産ハスカップでクラフトビール 地域の魅力詰まった一杯に
苫小牧市錦町2で道産クラフトビールを提供する「北海道ブルワリー&ビアキッチン」で21日、厚真産ハスカップを使ったクラフトビール「カムイゲイル ハシカプ」の販売が始まった。市内産ヤチヤナギで香りを付け、ハスカップならではの味わいを生かした、地域の魅力が詰まったフルーツビール。同店の宇佐美順子マネジャー(34)は「ハスカップの酸味を感じる珍しい味になった」とアピールしている。
地場産クラフトビールの醸造を通して、地域の活性化を目指す会社「北海道ブルワリー」(高橋憲司社長)の取り組み。「カムイゲイル ハシカプ」は厚真町の山口農場が生産するハスカップ「あつまみらい」と、市内で取れたヤチヤナギが原料。10月25日から江別市のクラフトビール生産SOCブルーイングで醸造し、今月20日に300リットルが完成した。
ホップを使わずヤチヤナギのみで香りを付け、ハスカップの酸味や甘みを引き出した。アルコール度数はビールとしては低めの4%で、きれいな黄金色をした「ゴールデンエール」のスタイル。忘年会や新年会のシーズンに合わせて商品化し、レギュラー(400ミリリットル)が1100円、ハーフパイント(230ミリリットル)が750円。販売は同店のみで、今回の醸造分がなくなり次第、終了する。
醸造を手掛けた高橋浩一ブルワー(56)は「ヤチヤナギは葉だけでなく、香りの強い枝や実もすべて使った」とこだわりを語り、「今後も年に1回はハスカップを使ったビールを仕込みたい」と意欲。自社ブランドのクラフトビール「カムイゲイル」は、アイヌ語で神を意味するカムイとヤチヤナギの英名ゲイルから名付け、「ハシカプ」もハスカップのアイヌ語を使用。地元の特産品として定着する願いがこもっている。
同店の営業時間は午後5時半~同11時。日・月曜定休。隣接地では現在、市内初のクラフトビール醸造所を建設中で、来年春にも同地で仕込んだビールの販売を開始。同店で5、6種類程度の常時提供を目指している。
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