華やかな衣装のキャストが表情豊かに歌うせりふや音楽で来場者を魅了した舞台

　函館オペラの会（大坂吉明会長）第２５回公演「不思議の国のアリス」（木下牧子作曲）が１９日、函館市民会館大ホールで開かれた。同会として初の日本人作品で、満員の来場者に音楽と演技、舞台美術が魅力のオペラの楽しさを伝えた。

　同会は１９９０年に発足した函館市民オペラの会が前身。２０１４年に現体制となってからの公演は２年ぶり５回目。函館市民文化祭舞台部門として、市文化・スポーツ振興財団、市文化団体協議会、市教委が主催。同会共催、函館新聞社などが後援した。

　演出は中村勝雄さん。木下さん作曲により、主人公アリス（金木彩子さん）が飛び込んだ世界で遭遇した、しゃべる猫（三井大樹さん）やユリの花（鈴木麻里さん）、白うさぎ（島聖子さん）、女王（石丸典子さん）、王（井上治さん）、公爵夫人（鈴木亜衣さん）らが歌うせりふは表情が増し、函館オペラ管弦楽団（阿部哲治さん指揮）の音楽に合わせ流れるように聞きやすく、観客を不思議の国に引き込んだ。

　ソプラノやテノールなどの歌声が会場に響き、エコールドバレエＭａｙｕｍｉの踊りのほか、さまざまな演技も華やかな衣装で、総合芸術として高い完成度を見せた。来場した函館市美原５の主婦、宮田聡美さん（４４）は「国内で注目されている作品と聞き、知り合いも出ているので初めて見に来たが、レベルの高い舞台で驚いた。また見に来たい」と話していた。