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釧路新聞

ウニ長期保存で新技術 釧路のリバーサーが開発

 【釧路、根室】水産物の鮮度保持技術や同機材を販売する「リバーサー」(釧路市)が、ウニの長期低温保存技術「リバーサーシステム」を開発した。業界では「ウニは冷凍に適さない」が定説だった。開発された生鮮ウニを約1カ月間冷凍保存する技術は、松田英照社長(55)の鮮魚販売のルーツでもある納沙布岬作業所での失敗から生まれたアイデアで、ウニの販路拡大を後押しする技術として注目されそうだ。

 リバーサーシステムは、ウニのむき身を加熱処理せず冷凍して保存する凍結プログラム。これまでのむき身製品は表面を蒸気などで過熱、固めることで輸 送に耐えうる製品としていたが、食味はいまひとつだった。

 一般的にウニは冷凍後、解凍すると緩くなり色や食感が悪くなるとされてきた。魚介類の凍結の主流となっている急速冷凍は筋肉を凍らせるもので、生殖巣のウニはいわば卵のため、細かな温度管理が必要になるという。

 技術開発は、釧路根室圏産業技術振興センター(釧路市)とナイネンキ(同)からの研究支援と、カネキ木村水産(浜中町)からウニの提供を受け、その後冷凍機器の開発、販売を手掛けるデイブレイク(東京)の参加も得て進められ、約2年かけて完成した。

 現在、冷凍保存1カ月、解凍は家庭用の冷蔵庫でも可能で、解凍後の賞味期限は当日だが、保存期間の延長は相談可能だという。

 根室出身の松田社長は、美容師から魚の販売に転身した40代のころ、納沙布の作業所で生鮮ウニを凍らせるミスをした。時は2月。寒い作業場で凍るのも致し方ないところだが、どうして凍ったかを分析していた。

 その後、新たな鮮度保持技術の開発など業界注目の人となったが、約2年半前の会議の雑談で「ウニが冷凍できれば」との声に「できるよ」と即答したものの、冷ややかな反応に「ムッとした」松田社長は、納沙布のミスで得ていたデータで、それを証明する。

 主流の急速冷凍ではなく自然界に学んだ「緩慢冷凍」が、長年の懸案を解決した。ウニ業者ら関係者と行った食味テストでも「生鮮ウニと食べ比べると違いが分かるが、単独ではほぼ遜色ない」という評価を得た。

 同システムはプログラムを松田社長率いるリバーサーが販売、機器の扱いはデイブレイクが担う。問い合わせはリバーサー090(6875)5389へ。

解凍後のウニ

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