ヤマトシジミの函館市生息を初めて確認 函館工業高校生物部【函館】
函館工業高校生物部は、本州以南に分布するとされるチョウ、ヤマトシジミを函館市内(旧戸井町の汐首岬周辺)で採集した。松前町内で昨年に採集が相次いだが、渡島半島南東部での採集は初めて。発見した部長の松浦冬真さん(17)は「びっくりした。見間違いではないかと思った」と振り返る。顧問の薩来俊彦教諭は「どうやって津軽海峡を渡ったのか」と驚いている。
ヤマトシジミは東北南部以南で最も普通に見られるチョウの一つ。北海道には分布していないとされていた。道内では風などで飛ばされてきた「迷蝶」の扱いで、観察はまれだった。
松浦さんが5匹、薩来教諭が2匹を10日に採集した。近くに住む子どもから1匹を提供され、いずれもヤマトシジミと確認された。どの個体も羽が痛んでいないことから、薩来教諭は「本州から飛ばされたとは考えられず、近隣で羽化したことにほぼ間違いない」とみている。
同部は昨年、同じく本州以南に分布するツマグロヒョウモンを横津岳、函館山などで採集した。今年も函館近郊で8匹採集し、南方系チョウの分布拡大が明らかになった。ヤマトシジミやツマグロヒョウモンは道内での越冬は難しいとみられる。同部は今後、亀田半島の津軽海峡沿いを重点的に調べ、越冬の可能性も含めて注意深く観察していきたいとしている。
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