解散を決めた理由を語る函館北ロータリークラブの山下会長

　奉仕団体の函館北ロータリークラブ（ＲＣ、会長・山下拓郎日商興産社長）が今年度いっぱいで解散する。会員数の減少が理由。函館地区で３番目に長い歴史を持つクラブは、６０年の活動に幕を下ろすことになった。山下会長（４４）は「活動ができなくなり、自然消滅するよりもきちんとした形で区切りをつけたかった」としている。

　１９６４年に設立。函館地区には６つのロータリークラブがあり、函館（１９３４年設立）、函館東（１９５７年設立）に次ぐ歴史を誇る。

　週１回の例会のほか、北斗市七重浜にある洞爺丸台風海難者の慰霊碑の清掃奉仕、函館マラソンのエイドステーション（補給所）でのボランティア、奨学金事業、少年野球への協賛などを続けてきた。

　会員数はピークで５０人ほどいたというが、年々減少し、２０１１年に２５人、１９年は１９人と推移。現在は１１人で活動している。年齢も７０歳代が最も多く、４０代の山下会長が最年少。

　コロナ禍で活動が制限されたことも影響したというが、山下会長は「コロナ禍も解散の一因ではあるが、それ以前から会員数は減少し続けており、活動自体が限界を迎えていた」と振り返る。

　２１年にクラブの方向性についての議論を開始。少人数での存続や他クラブへの吸収などの意見も出たというが、解散することで意見が一致。２２年から解散に向けた準備を進めてきた。

　９月１５日に市内のホテルで開く創立６０周年記念兼閉会式典をもって、対外的な活動を停止。事実上の解散とする。

　山下会長は「会員の高齢化や減少はどのクラブ、奉仕団体も同じような状況にあるので教訓にしてもらいたい」と話した。