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日高報知新聞

今回は確認できず 沙流川愛クラブ 沙流川でニホンウナギの特別採捕【日高】

電気ショッカーを背負い採捕作業を行う参加者

【日高】NPO法人沙流川愛クラブ(工藤正史理事長)は16、17の両日、沙流川河口から紫雲古津大橋までの8・5㌔区間で、今回で5回目となるニホンウナギの特別採捕を行った。これまでに、ウナギの稚魚シラスウナギや体長15㌢程度のニホンウナギの姿が確認されている。

 ニホンウナギは環境省レッドリスト2015で絶滅危惧種に指定されている。一生の大部分を河川や沿岸域などで過ごし、大礫、巨礫、コンクリートブロック、植生、枯葉などの堆積物などを隠れ場所として利用していることを確認。マリアナ諸島の西方の海域で産卵し、北赤道海流を乗り越えて日本近海に到着することから、気候変動に伴う海洋環境の変化は、産卵場の位置や回遊経路の位置の変化などで、ニホンウナギの来遊、分布、資源量に大きな影響などを及ぼすと考えられる。

 水産資源として重要で、成魚が漁獲の対象となるほか、ニホンウナギの稚魚も養殖魚として漁獲の対象となっている。近年は水産庁が中心となり、中国、韓国、台湾と連携・協力して養殖に利用される稚魚の池入れ量を制限するとともに、稚魚や親ウナギの漁獲抑制などの資源管理も行われている。

 16日は、会員や道開発局、町関係者20人、17日は25人が参加し、前日の雨の影響で増水・濁りなど条件的に良好とはいえない中で行われた。河川環境の専門家で、流域生態研究所の妹尾優二所長の指導の下、16日は沙流川河岸4カ所にプラスチック製円筒どう16個、はえなわ5本を仕掛け、17日は仕掛けの引き揚げを実施した。また、電撃捕漁器エレクトロフィッシャー(電気ショッカー)で採捕をしながら川中を調査。

 2020年(令和2年)にシラス、21年には15㌢ほどの成魚を採捕していたため、期待に胸を膨らませたが、今回は残念ながら確認できなかったが、ヤツメウナギ、モツゴ、ウグイ、フクドジョウ、ヤマメなど多種類の魚を採捕。中でもヤツメウナギが昨年よりも多数生息していることを確認。妹尾所長から魚について説明を受けた後、全て放流した。

 採捕の先頭に立った妹尾所長は「昨年と同じく確認できなかった。太平洋沿岸の他の川でニホンウナギが確認され、ブリとともに北海道に上がってきている。水が川を作る“水の力”を利用して自然環境を良くしていくことが最適。現在、石狩川・後志川ではヤツメウナギがほとんど獲れなくなり、漢方薬として高値で取り引きされている。合わせて研究していっても良いのでは」。

 工藤理事長は「2日間かけ無事終了できた。特別採捕については、来年度に向けこれからどうすべきか検討し方向性を考え、協力して沙流川の生態系を守っていきたい」と話した。

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