５年９カ月ぶりに室蘭港へ入港した飛鳥Ⅱ＝２７日午前８時（ドローン撮影）

　日本船籍最大のクルーズ客船飛鳥Ⅱ（５万４４４トン）が２７日、５年９カ月ぶりに室蘭港に寄港した。乗客たちは室蘭、登別、洞爺湖、白老観光を満喫し、大勢の市民らに見送られ、岩手県大船渡へ向けて出港した。

　同船は郵船クルーズ（横浜市）が所有し、全長２４０・９６メートル、全幅２９・６メートル。国内から乗客２２０人が乗船し、「初夏の日本一周クルーズ」として１９日から７月１日までの船旅を楽しんでいる。道内では室蘭が唯一の寄港地。

　午前８時に中央ふ頭に着岸。直後に行われた歓迎セレモニーで小久江尚船長が「四方が緑に囲まれた天然の良港で、アラスカやサンフランシスコのような異国の雰囲気もある素晴らしい港」とあいさつした。

　乗客はバスツアーやタクシーで観光地や市内へ出発。仙台市の武田幸雄さん（８３）は「室蘭に来るのは初めて。有珠山のロープウエーで山頂まで行くのが楽しみ」と話していた。

　午後５時の出港前には室蘭和太鼓會の演奏が行われた。青山剛市長、小笠原春一登別市長、堀井敬太伊達市長も駆け付け、西胆振の一体となったもてなしをアピールした。

　同船は７月２８日にも寄港する。当日はむろらん港まつりの幕開けを飾る室蘭民報社納涼花火大会が行われる予定で、花火とライトアップした同船の光の共演も楽しめる。