国立アイヌ 民族博物館 三大歌人を紹介 歴史振り返る 特別展「アイヌ文学の近代」 白老
白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)中核施設の国立アイヌ民族博物館(佐々木史郎館長)で24日、第6回特別展示「アウタリオピッタ アイヌ文学の近代」が開幕した。アイヌ民族の三大歌人とされる白老町の森竹竹市ら3人の詩歌資料から、当時の社会状況や歴史を振り返る。8月20日まで。
三大歌人は、伊達市のバチラー八重子(1884~1962年)、後志管内余市町の違星北斗(1901~29年)、森竹竹市(1902~76年)。メインタイトルの「アウタリオピッタ」はバチラー八重子が詠んだ短歌の一節を成すアイヌ語で、金田一京助は「我(わ)が同胞の皆々」と訳している。
展示会場は六つのテーマで構成され、3人の直筆ノートや原稿など計161点が並ぶ。バチラー八重子が立教小学校(東京)での教育のために集めた衣類や生活用具、違星の自筆短歌の掛け軸、白老町在住の木彫作家能登康昭さんが2007年に手掛けた森竹の等身大の木像など貴重な品々もある。そのほか、室蘭の写真家掛川源一郎(1913~2007年)が撮影したバチラー八重子や森竹、道内各地の写真約20点もパネルで展示している。
期間中の7月1、16、29日、8月12、20日には同館職員によるギャラリートークを実施(各日午後1時半から約30分)。7月15日午後1時半からは、同館1階交流室で違星北斗研究会の山科清春氏の講演会を予定している。
23日にメディア向け内覧会が開かれ、佐々木史郎館長は「大正末期から昭和初期にアイヌ民族が置かれた社会状況について、彼らが文学で伝えたかったことを考える場としたい」と語った。
観覧料は大人300円、高校生200円、中学生以下無料。ウポポイ入場料は別途。
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