銃を掲げて部下を鼓舞する演技を披露する三宅さん

　箱館戦争の舞台になった五稜郭にちなむ歴史イベント第５４回箱館五稜郭祭が２０日、開幕した。初日のメイン行事、第３６回土方歳三コンテストは市芸術ホールで開かれ、１０人が気迫あふれる演技を披露。大阪府の会社員、三宅智美さん（３６）が昨年に続く２回目の出場で悲願の優勝を手にした。

　コンテストには１６～４２歳の１０人（道南５人、道外５人）が出場。台場山で土方率いる幕府軍が新政府軍を迎え撃った「二股口の戦い」をモチーフに、部下を励ますせりふや敵将と刀で切り合うアレンジなどを加えて熱演した。

　優勝した三宅さんはピストルを掲げて「信念を曲げずに貫き通せ」と部下を鼓舞し、審査員からは「土方への強い愛が感じられる」（橋淳央実行委員長）と高評価を受け、準優勝の平野峰義さん（３９）＝東京都＝と１点差で優勝をつかんだ。

　三宅さんは東京・日野市で開かれる「ひの新選組まつり」隊士コンテストの常連で「ミスター土方」に選ばれたこともある。昨年の五稜郭祭では入賞できず、今回は小道具の銃などをそろえて入念に準備してきた。土方の出身地、終焉の地での〝２冠達成〟に表彰式では「夢のよう」と涙ぐんでいた。

　３位に当たる五稜郭祭賞は、最年少参加者の函館ラ・サール高１年の田所侑翔さん（１６）＝七飯町＝が選ばれた。田所さんは「函館野外劇」に参加し、殺陣を学ぶ。野外劇メンバーと迫真の剣劇を披露し、「土方は小学生のころからの憧れの人。来年も絶対に出場します」と意気込んでいた。

　２１日には午後１時から「維新行列・音楽パレード」があり、パレードには三宅さんと平野さんがコンテスト優勝・準優勝者として参加する。