「工事は順調」と胸を張る伊藤所長（北斗市市渡）

　【北斗】北海道新幹線は２６日、開業７周年を迎えた。札幌延伸開業に向けたトンネル工事の進捗（しんちょく）が約６割となり、新年度からは地上区間の工事も本格化する。工事を進める鉄道・運輸機構は２５日、ＪＲ新函館北斗駅前に４月オープンの新拠点「つながれーる道南」の開所式を開いたほか、北斗市市渡の高架橋工事現場を報道公開。２０３０年度末に予定される延伸開業に向けた機運を高めた。

　つながれーる道南には、北斗市―長万部町間の工事統轄機能を置く「北斗事務所」と、北斗市と七飯町の工事拠点「北斗鉄道建設所」を移転・併設し、合わせて約４０人のスタッフが常駐する。北斗事務所は同機構の道南における広報・渉外機能も担い、地元自治体との連携強化を図るほか、同機構として初の常設展示スペースを設けた。

　同機構の河内隆理事長は開所式で「新幹線が身近に感じられる施設になる」と期待を示した。道新幹線建設局副局長として新年度から北斗事務所に常駐する山本武史氏には、地元の市渡小の子どもたちからメッセージが寄せられ「応援に応えられるよう頑張りたい」と意気込んだ。

　札幌までの約２１２キロのうち、８割はトンネルで、残りが「明かり区間」と呼ばれる地上部となる。市渡の高架橋工事は昨年７月、他の地上区間に先駆けて着手し、くい打ちを終えて橋脚８基のうち２基の建設に取り掛かっている。伊藤久雄北斗鉄道建設所長は「工事は順調」とし、新年度は道道上磯峠下線をまたぐ「大野橋りょう」を架ける予定。

　つながれーる道南の見学可能時間は平日午前９時半から午後５時まで（４月以降）。