道、樽前山登山道を再整備へ 完成から30年で劣化目立つ
道は2023年度、樽前山(1041メートル)の登山道の再整備に着手する方針を固めた。22年度補正予算案に事業費の一部を計上する方向で調整している。完成から30年以上たつ登山道は雨風で斜面が削られ、使っていた丸太が流されたり、留め具だけが残ったりと劣化が目立っていた。コロナ禍を背景にしたアウトドアブームで登山者が増える中、安全対策を強化したい考えだ。
道は、7合目から東山ピークまでの登山道延長1517メートルを管理している。新年度に再整備の設計委託を行い、早ければ今秋の着工を目指す。設計段階でも、防護柵のロープ交換など可能な作業は優先させる。一方で、階段部分などの工事には登山道の閉鎖が必要となるほか、冬期間は工事ができないため単年度での完了は難しいとみている。
道自然環境課などによると、登山道は丸太を使った階段やロープの防護柵などを1991年度までに整備。これまで改修工事は行われず、危険箇所の通報に対しては職員が現地を確認して応急処置をする程度。山岳団体のボランティアが危ない丸太を撤去したり、ロープを新調したりしているのが現状だった。
同課は「樽前山は人気が高く、登山者も増えている。登りやすさから中には装備不足の人も見られ、効果的な安全対策につなげたい」としている。
苫小牧市観光振興課によると、樽前山の年間登山者数は約10年前に2万4000人前後だったのが2019年度に3万人を突破。コロナ後の20年度は3万8125人、21年度は4万695人と急増している。
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