新たな販路で販売する商品加工に取り組む施設利用者

　就労継続支援Ｂ型事業所などを運営するＮＰＯ法人シゴトシンク北海道（函館市山の手３、清野侑亮理事長）は１１月から、フリマアプリ大手のメルカリが運営するＥＣ（電子商取引）サイト「メルカリＳｈｏｐｓ（ショップス）」に出店した。施設利用者が生産する珍味や手工芸品を販売し、販路開拓と利用者の就労意欲向上につなげる。

　同ＮＰＯでは、新型コロナ禍の影響が長期化と物価高騰も重なって民間企業から受託する作業が減少傾向にある中、工賃確保の手段を模索。運送業大手のヤマト運輸のサポートを受け、「新たな挑戦」と位置付けてメルカリショップスへの出店を決めた。

　焼きホタテやスルメといった珍味類は水産加工事業者からの受注生産作業のほか、自社生産分として原材料を仕入れて商品化してきたが、バザーや取引先などに案内して小規模に販売していたのみ。メルカリショップスはフリマサイト同様に出品の手間もなく、大量の在庫を抱えることなく、販路を全国へと拡大することができる。利用者にとっても商品を作ること以外にも梱包や注文管理といった新たな作業にもつながる。

　また、利用者がつくるマフラーなどのニット製品、網かご、鹿部町で取り組む漁網でつくるガラス浮き玉編みといった地域色のある商品の取り扱いを予定。利用者の特技を生かしたアート作品の出品や、他の福祉事業所の販売委託を受けることも検討する。

　同ＮＰＯの下斗米貴行専務理事（３７）は「通所利用のメンバーも楽しそうに作業し、就労意欲の向上にもつながる。市場の競争の中で、いい商品をつくることために取り組むことを学んでいきたい。今後の事業計画の柱となるよう努力していきたい」と話している。