モーラップ樽前荘 今年度末で廃止へ 苫小牧市 利用者減や老朽化理由
苫小牧市は13日の市議会文教経済委員会(岩田薫委員長)で、70年前から支笏湖畔で運営している休憩・宿泊施設「モーラップ樽前荘」=千歳市モラップ=を2022年度末で廃止する方針を示した。ニーズの多様化などで利用者数が減少傾向にある上、老朽化が進み、大規模改修が必要となっていることを踏まえた判断。パブリックコメント(意見公募)を経て、来年2月の市議会定例会に施設廃止の関連条例案を提出する予定だ。
観光振興課の三橋大輔課長は、樽前荘について「設置当初は支笏湖周辺観光の核施設としてけん引役を担った」としながら、「(近年は)需要が低迷しており、役割を終えた」と廃止の理由を説明した。
樽前荘は、観光振興や青少年の健全育成を目的に1952年に開設。同課によると、過去10年間の年間利用者数は1500人前後で推移していたが2018、19年度は1200人台にとどまり、新型コロナウイルス禍で相部屋をやめると20年度は656人、21年度には387人まで落ち込んだ。
三橋課長は「ライダーや自転車ツーリングの利用客が9割で、青少年などの自然学習の利用はない」と需要の変化も指摘する。現在のログハウス風の建物は、約1億2300万円を投じて1999年に建築。老朽化に伴う大規模改修には多額の費用が必要とみられる。
廃止した場合、解体には概算で約2700万円掛かる見込みで、まずは売却の可能性を探る構え。ただ、国立公園内のため利用に当たっては国有財産法や自然公園法などの制約があり、「国や関係機関と相談しながら(対応を)考えていきたい」としている。
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