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十勝毎日新聞

キャビア試作 チョウザメ養殖、商品化目指す【鹿追】

 鹿追町は町環境保全センターのバイオガス発電余剰熱を利用して養殖しているチョウザメの卵を、商品化に向けた試作としては初めてキャビアに加工した。今後も卵が加工に適したチョウザメがいれば試作を繰り返し、商品化に向けて経験を重ねていく考え。

加工適期となった卵を持つチョウザメ。500グラムほどのキャビアになった

 今回、キャビア加工向けに卵を取り出したのは、生まれてから10年ほどの2匹。体長1メートルで重さ5.5キロと体長80センチで重さ4.5キロ。5月にチョウザメの腹に注射針のような器具を刺して数個の卵を取り出す「検卵」を、生後10年前後の170匹の一部で実施。加工適期の卵を持つものもいたことから、8月に改めて全てを検卵した上で、今回の2匹をキャビア加工用に選別した。

 チョウザメは一般的に生後3、4年ごろに雌雄が判別できるようになり、キャビア加工ができる卵を持つようになるのは生後8年~10年目ほど。同町では2014年からバイオガス発電の余剰熱を利用してチョウザメの養殖に取り組んでいる。稚魚と生後1年、同3年それぞれのチョウザメで養殖をスタートさせ、17年からは人工授精でふ化させることから行っている。

 キャビアの試作は、水産加工できる帯広市内の工場で実施した。チョウザメを担当する鹿追町商工観光課の鈴木綾さんと、養殖担当の市川友和さんが訪れ、工場のスタッフが加工作業を行った。

 腹を裂いて卵を取り出し、水洗いした後に岩塩を混ぜた。「海水の塩は、にがり成分がキャビア加工に向いていないため、岩塩を使う」と鈴木さん。塩漬け後の卵の重さは、それぞれ325グラムと533グラムだった。3日ほど寝かせてから試食する。

水洗いした後のチョウザメの卵

 今回の工場では輸入品キャビアも扱っており、作業したスタッフは「卵の大きさは海外の物と同じぐらい」という。22日には北海道ホテル(帯広)の羽山正彦総料理長に試食してもらった。羽山総料理長は「初めて鹿追産のキャビアを食べたが、おいしい。今後は塩の種類や塩分濃度について鹿追町と一緒に研究し、おいしいキャビアを作るために協力していきたい」と述べた。

 今回試作したキャビアは、冷凍し保存方法や期間なども調査していく。鈴木さんは「チョウザメは成長具合の個体差が大きく、加工適期の見極めも難しい。試作を繰り返して経験を重ね、安定した品質で商品を作れるように努める」と話している。

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