下川選書で借りている本棚

　「本を通じて、下川のことを知ってもらいたい」。下川町産業活性化支援機構タウンプロモーション推進部が、札幌市内の書店「みんなでつくるみんなの本屋」の棚貸しサービスを生かし、下川で暮らす人が選んだ、人生に影響を与えた本「下川選書」を設けている。

　下川選書を置いているのは、北海道大学に近い札幌市北18条のゲストハウス「UNTAPPED HOSTEL」に隣接する書店「SEESAWBOOKS（シーソーブックス）」。地域とのつながりを大切にし、好きな本を置いて販売できる「棚貸し」サービスを提供している。

　同推進部では、このサービスを知り「友人の本棚を見ると、その人の興味、共通点に気付き、つながるきっかけにもなる。貸し本棚に、下川で暮らす人たちのお薦め本を置いたら、見た人に“下川で暮らす人たち”をイメージしてもらえるのではないか」と考え、下川選書の設置を決めた。

　町内のデザイナー・尾藤剛弘さんと、書店員経験者・藤原佑輔さんの協力の下、３月から下川で暮らす住民に聞き取り、選書をスタート。本の入荷や管理は藤原さん、棚やポップなどのデザインは尾藤さんが担当している。

　４月に本が入荷し、一冊一冊に選んだ理由を書いた帯、下川選書オリジナルのしおりも付けて、ゴールデンウイーク入りの４月29日に「SEESAWBOOKS」を訪れて、貸し本棚に30冊を配置した。

　下川で暮らす人から薦めてもらった「人生に影響を与えた本」「田舎に住みたくなった本」「ひそかな楽しみの本」「下川暮らしに役立つ本」などが並び、書店によると有名な本ではなく、地元下川を題材にした地元作家の本や、自然との共存、ＤＩＹといった暮らしを考える本が人気とのこと。選書は定期的に入れ替えながら、来年３月末まで設けている。