道南スギで酒だる 渡島総合振興局が試作、5日に森のまつりで振る舞い【函館】
渡島総合振興局は、道南スギを使った酒だる(日本酒の容器)を初めて試作した。建築材以外の道南スギの新たな用途をPRするのが狙いで、出来は上々。振興局と包括連携協定を結んでいる「箱館醸蔵」(七飯町)の協力で、5日午前10時から第73回もりまち桜まつりの会場(青葉ケ丘公園)で、酒だるに入れた日本酒を来場者に振る舞う。
道南スギの利用拡大は官民挙げて取り組んでおり、酒だるは振興局、箱館醸蔵、森町の製材業「ハルキ」、森町がタッグを組んで構想から2年掛けて完成。ただ、道内に酒だるを作る職人がおらず、4者は秋田県大館市の沓澤製材所へ出向き、木材の適性を学ぶなどして研究を重ねた。酒だるは道南スギの縦長の板を組み合わせて作り、直径60センチ以上の太いもの、節が少ないものが適していることが分かった。
今回完成した酒だるは、一斗(18リットル入り)たる10個と二斗(36リットル入り)たる10個の計20個。振興局は今後、渡島管内の他のイベントでも使用したい考え。
まつりでは、箱館醸蔵が道南ブランド米「ふっくりんこ」で作った酒「箱館物語」を提供。新型コロナウイルス感染防止のため飲食は限られた場所のみに制限され、午後4時まで。振興局林務課の小田崇課長は「秋田スギや吉野スギなど産地によって香りの付き方が違うようだ。データを取って道南スギの特性を明らかにしたい」と話す。また、「渡島で開催されるイベントで、酒を振る舞う機会があれば活用したい」と意欲を示している。
当日は酒だるのお披露目のほか、道南スギで作成した屋台、道産木材を使用した建築物を登録する道の制度「北海道ウッドビルディング」の認定を受けた箱館醸蔵の社屋のパネル展示なども行う。
小田課長は「4者の強い思いが詰まった道南スギ酒だるをPRし、道南スギの一層の利用拡大につなげたい」と意気込んでいる。
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