入り口に設置した検温器とアルコール消毒液（逢坂誠二氏の合選事務所）

　新型コロナウイルス禍で初めて行われる３１日投開票の衆院選で、道８区（渡島、桧山管内）の立候補者２氏の陣営は、感染対策に気を配りながら選挙運動を進めている。事務所に検温器やアルコール消毒液を置いたり、車上運動員の健康チェックを毎朝行うなど余念がない。道南の新規感染者数は大きく減少しているが、あの手この手で感染防止策の知恵を絞っている。

　立憲民主党前職の逢坂誠二氏（６２）の合同選対事務所（函館市松風町）は、検温器やアルコール消毒液を設置したほか、来訪者に名前、住所、連絡先、体温を記入する同意書の提出を求める。事務所スタッフの机にはアクリル板を固定した。

　車上運動員の健康チェックは毎朝行い、抗原検査結果も含め５項目を記入。選挙カーの中は密になりやすいため、乗り組み人数をこれまでの選挙より減らし、最少人数で遊説を行っている。

　個人演説会など会合は会場の収容人数の５０％以内とし、１９日公示の第一声では、はこだてグリーンプラザに１メートル間隔でテープ２００人分を貼り、距離の確保に腐心した。

　陣営幹部は「道議選旭川市の補欠選挙で、候補者の一人が濃厚接触者になった例も踏まえ、思いついたことは何でもする」と話す。

　自民党元職の前田一男氏（５５）の選挙事務所（同市鍛治２）でも、マスクの着用の徹底、検温器やアルコール消毒液の設置のほか、来訪者の住所や連絡先などを明記する名簿の記入を求める基本的な感染症対策に加え、事務所のテーブルや電話などは使用するごとに消毒しているという。

　車上運動員は新型コロナウイルスワクチンの２回接種者のみとし、遊説で使用したマイクや車のハンドルなども消毒し、有権者とはグータッチで交流を図る。

　１９日の出陣式では、出席者数を８０人に制限し、これまでの立式ではなく前後の距離を保てるように椅子に座る方式で対応した。集会はチケットの半券を個人で切ってもらい接触を減らしてる。

　陣営幹部は「基本的なことばかりだが、できることを最大限実施している」と話す。