育てた苗をビニールハウスに運び、定植作業を行う西條さん

【平取・日高】日高町平賀の西條元さん（39）のビニールハウスで12日、「びらとりトマト」の定植が始まっている。12日には２月下旬に続く今年２回目の作業に励んだ。

　全道一のトマトの出荷量を誇る平取町では約１００㌶のハウストマト栽培を行っている。２０１２年に商品登録されたびらとりトマトは、すべて「桃太郎」系の品種。接ぎ木ではなく「自根」栽培が特徴で、糖度５〜６度と甘みに富み実が締まり日持ちが良いとされる。

　３代目として就農10年目を迎える西條さんは、ビニールハウス32棟で、両親と妻の佳代さん（38）とパート２人、外国人研修生１人の計７人で作業にあたっている。

　びらとり農協の育苗センターから双葉が出て本葉が２枚程度になった幼苗を用意し、１本１本直径13・５㌢のポットに植え替え、ハウスの中で約２カ月かけて苗を育ててから定植する。

　収穫期をずらすために４月５日、５月５日、５月20日、６月15日に各４棟ずつ、７月１日に１ 棟定植を行う予定。５月の初出荷から８月初め頃まで収穫が行われる。

　トマトにはビタミンＣが多く含まれ、毎日大きなトマトを１個食べると必要とされる摂取量を十分賄うことができ、ビタミンＡ、ビタミンＢ１、カリウム、カルシウム、鉄などの栄養素が豊富。「リコピン」を多く含み、生活習慣病の原因ともいわれる「活性酸素」の力を弱める働きがあるという。

　西條さんは「今年は二酸化炭素を少し加えたことにより、成長が早く苗が育った。昨年は猛暑で苦労する農家もあったが、過去２番目の収穫量があった。坪あたり40㌔を目指している。市場価格の動向もあるが高値で推移してほしい。皆さんに喜んでいただけるトマトを届けられるよう頑張りたい」と話した。

　びらとり農協営農生産部の新田裕輔青果課長は「本年度は、平取・日高両町のトマト農家１４０戸が96㌶に作付けをする」と話した。