市議会本会議場で演奏を披露する日体大付属高等支援学校の生徒たち

　【網走】市議会議員会（山田庫司郎会長）は11日、市議会本会議場で議場コンサートを開き、日体大付属高等支援学校の生徒がトーンチャイムの演奏を披露した。

　市議会を広く市民に開放し、堅苦しいと思われがちな議場をより身近に感じてほしいと開いたもの。開会中の第１回定例会が休憩となった正午過ぎから、市議や市職員、市民など約70人が来場。演奏が始まるのを待った。

　この日、出演したのは同校の２年生８人。トーンチャイムは音楽の授業で習ったものだが、８人が校外で演奏するのは今回が初めてという。

　トーンチャイムは、ハンドベルの一種。１人で１つか２つの音程を担当し、複数人でメロディーを奏でるのはハンドベルと一緒だが、ベルと違い、校内放送の前後に流れるような澄んだ音色と余韻がその魅力という。

　８人は「川の流れのように」「世界にひとつだけの花」など３曲を披露。前段の自己紹介では、みな「緊張しています」と話しながらも、優しく澄んだ音色をよどみなく議場に響かせた。

　２曲目に演奏した東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」では、８人の歌声も披露。折しも能登半島地震により多くの人が被災していることから、より被災地復興の願いがこもった演奏に、聴衆から一段と大きな拍手が送られた。

　演奏を終えた生徒の１人は「練習より本番に強いメンバーなので、今日はよく出来たと思う」と話していた。

　このコンサートは２００４年から開いているが、20年からは新型コロナ感染拡大を受けて中止しており、今回は５年ぶりの開催。また、市は現在、新庁舎を建設中で、現庁舎の議場で開くコンサートは今回が最後になる。

　山田会長は「市議会は市民からの距離が遠いと言われたことがあり、身近な存在になるための一環としてコンサートを開いてきた。新庁舎の議場で、もし開催できるようであれば、ぜひ多くの人に鑑賞してほしい」と話していた。