後輩から刺激、活躍誓う

後輩たちにエールを送るとともに自身の活躍も誓う坂本選手

　１８日に開幕する第９６回選抜高校野球大会（甲子園）に２１世紀枠で初出場する別海高野球部。同校野球部ОＢで、現在社会人野球チーム「日本製鉄室蘭シャークス」で活躍する坂本晴斗選手（日本製鉄）が「期待していた分、本当にうれしい」と喜びもひとしおだ。

　日ごろから後輩たちの活躍を交流サイト（ＳＮＳ）などでチェックしているという坂本選手。昨年秋、札幌で行われた秋季全道大会は現地へ応援に駆け付け、出場が決まった際も恩師で同部の島影隆啓監督に電話でお祝いの言葉を送った。

厳しい練習環境

　グラウンドが使えない日は、農業用ビニールハウスを活用するなど工夫して練習を行う同部。坂本選手も当時練習時間わずか３時間という厳しい環境下で３年間を過ごした。時間内でできる練習メニューを考えろという監督の指示を思い出し、「授業中、勉強そっちのけでメニューを考えましたね」と笑って振り返る。

頑張れ言わない

　後輩たちの苦労を理解しているからこそ、坂本選手から「頑張れ」の一言は出ない。チャンスをつかめたのもОＢが積み上げてきたものや町一体のサポート、その上で現役選手たちが真面目に練習に取り組んだ成果が実を結んだ結果と強調する。「頑張れと言うよりもОＢや町民の期待を背負い、全力で戦うことだけ考えて」とエールを送る。

　２１世紀枠は、秋季都道府県大会の１６強以上を対象に、限られた練習環境や地域貢献なども選考条件に加えられた選抜特別枠。同校は昨年の秋季全道大会の準決勝で北海に敗れたものの、創部初のベスト４進出という快進撃を見せた。

４年目に懸ける

　後輩たちに負けてられない－。昨年の日本選手権大会道予選でスタメン出場を果たしたものの思うような結果を残せず悔いの残るシーズンを過ごした坂本選手。躍動する後輩たちに感化され、４年目に懸ける思いも人一倍。「外野のし烈なレギュラー争いを勝ち取り、必ず結果を残す」と自身の活躍も誓った。

　センバツには３２校が出場し、組み合わせ抽選会は８日、大阪市内で行われる。