音更町内初のワイナリー開設を目指す十勝ぶどう園(中村利雄代表)のブドウを原料にした赤ワイン「オトプケ浪漫(ろまん) 山幸2022」が9日、町内や帯広市内で発売開始される。中村さん(75)は「おいしく仕上がった。夢に一歩近づいた」と喜んでいる。
中村さんは元団体役員で、退職後の2019年に十勝川温泉の農地を取得。20年に同園を開設し、山幸(やまさち)などの栽培に取り組んできた。
オトプケ浪漫は22年産の山幸1.3トン全量を池田町ブドウ・ブドウ酒研究所に持ち込んで醸造、1年間たる熟成した。瓶詰めは池田町内の十勝まきばの家ワイナリーに頼んだ。22年産の山幸は糖度20.6度と比較的高く、無補糖でアルコール度は一般的なワインよりやや低い10%に仕上がった。たる熟成ならではのほのかなバニラの香り、適度な酸味も感じられ、ジビエなどの肉料理に合うという。中村さんは「多くの人に楽しんでもらいたい」と胸を張る。
ワインの名称は、町名の由来であるアイヌ語のオトプケと、音更町産ブドウで醸造した初の赤ワイン誕生にロマンを感じることから名付けた。ラベルには、遠くに日高山脈が見える十勝川温泉のブドウ畑を歩く農夫(中村さん)の姿をデザインした。
山幸は池田町の独自品種。20年11月に国際ブドウ・ワイン機構(OIV、フランス)に品種登録されたことで、ラベルに品種名を表記できるようになった。この点を踏まえ、オトプケ浪漫はボトルサイズを国際標準の750ミリリットルにした。
製造数量は932本(1本4345円)。音更町内の道の駅、十勝川温泉の宿泊施設、食品スーパーハピオなどの他、帯広市内の酒類取扱店でも販売する。
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