釧路市阿寒町で、タンチョウへの感謝の意を示す「タンチョウ感謝祭」（阿寒丹頂の里プロジェクト実行委員会主催）が２８日、釧路市阿寒町上阿寒の阿寒国際ツルセンター（河瀬幸館長）で開かれた。同町在住のカップルがタンチョウにあやかって千年の愛を誓う「タンチョウ結婚式」も行われ、会場は温かな雰囲気に包まれた。

　式を挙げたのは、同町で酪農を営む今村恭法さん（３３）と佐保子さん（２７）。二人は２０２３年３月に入籍。結婚式を行っていなかったため、関係者が打診して実現した。神奈川県に住む佐保子さんの親族が駆け付け、式場前のビオトープには１００羽以上のタンチョウも飛来した。

　阿寒中学校３年の石田乃愛さんらの司会で進行。音別町産のフキで作られた富貴（ふき）紙の結婚証明書を手渡された。「信頼と感謝の心に幸せの花が咲く」と末永く双方の信頼を貫くことを誓い合い、三三九度の杯を交わす際には、祝福するようにタンチョウの鳴き声が響き渡った。

　恭法さんは「中学時代、ツル特別委員会で餌やりをした経験が今回の縁につながったのかなと思う。これからもご指導をよろしくお願いします」と感謝の意を示した。

　会場では新たに地元有志の６チームが雪像コンテストや、同センターの河瀬幸館長が無料のタンチョウガイドなども行われた。

多くのタンチョウが見守る中で、タンチョウ結婚式