江口学長（右）から感謝状を受け取る新谷組合長

　【網走】東京農業大学（江口文陽学長）は、同大生物産業学部に１千万円を寄付した網走漁協（新谷哲也代表理事組合長）に感謝状を贈った。

　寄付は同漁協の重要な事業のひとつ、ホタテの稚貝放流に同学部生が積極的に関わり、欠かせない重要な戦力になっていること、開学から35年が経過し、キャンパス施設の今後を考えると何かと入り用になってくる―などを考え、昨年12月に行ったもの。

　今回の感謝状贈呈は、これを受けてのもの。江口学長や西野康人学部長が同漁協を訪れ、新谷組合長に感謝状を手渡した。

　贈呈後の歓談で新谷組合長は、以前から何らかのかたちで謝意を表したいと寄付を検討していたが、網走湖畔のホテル重油漏れ事故があり「最悪の場合、自分たちで処理することも想定していたので、寄付できずにいた」と明かした。

　また、２月25日から29日まで行う同漁協役員の研修旅行で、最終日に同大世田谷キャンパスを訪問することに触れ「訪れる機会はなかなかないと思うので、東農大に対する役員の認識も変わると思う」と話した。

　さらに、訪問に合わせて世田谷キャンパスでのホタテ提供なども検討していることなどを江口学長に伝えた。

　その上で新谷組合長は「東農大の存在は、漁協や漁業者にとっても、網走にとっても大きい。紋別や北見の例もあり、東農大にはぜひこのままでいてほしい」と、同大にエールを送った。

　これを受け、江口学長は「定員割れは絶対に起こさないという覚悟です」と決意を示すとともに、学生確保に向けて省庁や航空会社へ働きかけを考えているとし、その方策の一端を新谷組合長に説明していた。