木質バイオマスボイラー運転開始 CO2年間3500トン削減 ダイナックス苫小牧工場
自動車部品製造業ダイナックス(本社千歳市、伊藤和弘社長)は27日、苫小牧市柏原の苫小牧工場に新設した木質バイオマスボイラーの火入れ式を行った。カーボンニュートラル(CN、温室効果ガスの排出ゼロ)実現を目指す事業で、二酸化炭素(CO2)の排出減はもちろん、廃棄物の削減にもつなげる狙い。年内の試運転を経て、来年1月から本格稼働する。
同社は自動車部品のクラッチ板製造で、トランスミッション台数ベースで世界一。CNも2050年達成を目標に掲げ、温室効果ガス排出量は30年までに19年度比で46%削減する方針。国内製造拠点の苫小牧、千歳で先進的な事業を進めている。木質バイオマスボイラーは22年11月から、経済産業省の支援事業に採択され、総事業費約7億円で遊休地約1170平方メートルに新設工事を進めてきた。
苫小牧工場では、木質バイオマスボイラー導入に伴い、天然ガスボイラー12台、A重油ボイラー1台を停止。燃料は産業廃棄物の解体材などを砕いた木質チップを基本に、同社の製造過程で発生する天然パルプ由来のペーパーかすも使う。能力は蒸発量1時間当たり4トン。CO2の年間削減量は3501トンで、同社国内工場全体の9・3%に相当する。
27日にボイラー前で火入れ式を行い、伊藤社長ら同社幹部、施工業者ら約30人が粛々と神事に臨み、無事故無災害を願った。同社は苫小牧地域で1日から、大規模太陽光発電設備(メガソーラー)の運用を始めたばかりで、伊藤社長は「メガソーラー、バイオマスでCO2削減効果は16・5%になる。今後は千歳工場も新たなボイラー導入を検討したい。地域の方と協力しながら再生可能エネルギーをさらに導入できたら」と話していた。
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