高齢運転者の事故防げ 根室市など安全対策強化【根室】
【根室】釧路市内で発生した2件の死亡交通事故で、いずれも根室市民が加害者となったことを受け、根室市と根室署、根室相互自動車学校は協力して高齢者の交通安全対策を強化、拡充する。同署や同自動車学校は体験型啓発を実施、市は旧型車へ後付け運転支援装置を取り付ける助成制度の検討に入った。
今月17、18日に釧路市内で発生した2件の交通事故では、幼児と高齢者2人の計3人が犠牲となった。加害者となったのは、いずれも根室市内居住の高齢者で、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因とみられている。
この事故を受け20日、市と同署、同自動車学校が今後の対策を協議。市は高齢者に対するペダル踏み間違い防止教室(自動車学校委託)を実施するほか、旧型車に後付けする運転支援装置の助成事業の検討に入った。
後付け装置助成は、富良野市や苫小牧市など道内4市9町村で実施しており、うち三笠市や新得町など1市3町村は運転支援装置付き車の購入支援も行っている。根室市が導入すると根室、釧路管内では初となる。
同署はシミュレーターを使った体験型啓発を予定するほか、大型店舗などで街頭啓発を行う。同自動車学校は市の委託事業「高齢者運転免許更新時特別講習事業」を拡充。ペダル踏み間違い防止教室を開き、講習や実技を行うほか、通院、買い物など長距離運転後に交通量の多い釧路市内を運転することへの指導も行う。
市によると、根室市内(6月末現在)の75歳以上の運転免許保有者は全保有者の 10・1%(道内平均7・4 %)で、75歳以上の人口4518人の34・6%(同27・8%)が免許保有者と、道 内の保有割合を上回っている。
市は、70歳以上の免許返納者に年間1万2000円を3年間支給する独自事業を実施しているが、農・漁業が基幹産業という産業構造もあってか、昨年は1525人中73人、返納率4・8%(前年6・2%)と年々返納率は下がっている。
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