オジロワシ元気に飛び立つ 事故でけが治療の2羽放鳥【釧路市】
環境省釧路自然環境事務所(岡野隆宏所長)は27日、釧路湿原野生生物保護センターに収容、治療していたオジロワシ2羽を野生に返すため、釧路管内の農地で放鳥した。
オジロワシなどの猛禽類は、事故に遭ったシカなど、道路脇の餌を食べようと道路や線路に降りて、車や列車にひかれるケースが多発。環境省などでは、運転の注意と発見時の同事務所などへの連絡を呼び掛けている。
放鳥したワシの1羽は22年8月に網走市、もう一方は23年5月に斜里町で、いずれも交通事故に遭い、同センターに収容され、治療と訓練を続けてきた。
放鳥は同省、同センターを運営する猛禽類医学研究所の立ち会いの下行われた。オジロワシはケージの扉が開いても、しばらく外に出るのをためらったり、周囲の様子に警戒していたが、やがて広げると約2メートルの翼で近くの山に向けて飛び去った。
2羽の足には送信機を装着し、定期的に送信される現在地や飛行高度などのデータが事故防止に向けた情報収集などに役立てられる。同研究所の斎藤慶輔代表は「今回の2羽の通報に感謝したい。発見、連絡されずに事故で死んでいった個体はもっと多いので、車の運転などには注意をしてほしい」と話した。
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