協定書に署名した佐々木館長（左）と空閑学長

　白老町のウポポイ（民族共生象徴空間）内にある国立アイヌ民族博物館（佐々木史郎館長）と室蘭工業大学（空閑良壽学長）は２６日、地域社会発展や人材育成、学術振興、アイヌ民族の歴史文化の理解促進などを目的とした包括連携協定を締結した。

　協定では、アイヌの歴史文化を含む地域の伝統文化の教育や共同調査研究をはじめ、博物館活動や研究者の相互交流などに取り組む。具体的には胆振地域について学ぶ「胆振学入門」の授業内で、アイヌについて学ぶ同館の研究員を招いた講義などを行っていく。

　同博物館で締結式があり、佐々木館長と空閑学長が協定書に署名した。佐々木館長は同大の「胆振学入門」に注目しているとし、「同じ胆振管内の国立施設として手を携えて、地元の研究に貢献するのは大変良いこと。室蘭工業大学の研究、教育、人材育成活動に貢献できればと思っている」と述べた。

　空閑学長は、既に建築系の学生が同博物館内部を見学している経緯、食や薬の観点でアイヌの有用植物について研究を行っている研究グループがあることを紹介。「教育研究に取り組むパートナーとして、お互いが持っている知見や資源を有効活用し、協力して地域社会の発展と人材育成、学術の振興を進めていきたい」と話した。