消火訓練でバケツリレーを行う参加者

　釧路市防災会議（会長・蝦名大也市長）が主催する今年度の釧路市防災総合訓練（釧路地域）が２８日、釧路港東港区耐震旅客船ターミナルで開かれ、参加した５１機関がさまざまな訓練を通じて、災害時の連携を確認した。

　この訓練は、大規模な地震による被害の発生と津波の襲来を想定しており、災害時における迅速な対応を検証するとともに、関係機関の連携強化、市民の防災意識高揚などを目的として毎年この時期に実施。今回は釧路、根室、十勝沖に巨大地震が発生し、５㍍の津波が発生したとの想定で行われた。

　開会に当たり、蝦名大也市長が「訓練の中でさまざまな気付きや知見を積み重ね、この地域の強靱（きょうじん）化を図っていこう」とあいさつ。この日はあいにくの雨模様だったが、ドローンを使った情報伝達や市民による初期消火、災害ボランティアセンターの設置、運営に加え、海上自衛隊（大湊警備隊）の多用途支援艦「すおう」（９８０㌧）による孤立住民救出など、内容を一部変更しながら３３項目すべての訓練を行った。

　このほか、会場内には北海道ＬＰガス協会釧路支部によるＬＰガス移動電源車、釧路地方気象台による防災啓発パネル、陸上自衛隊の軽装甲機動車と災害派遣救助セットなどが展示され、参加者の防災意識高揚に一役買った。

　終了後、吉田英樹副市長は「悪天候にもかかわらず訓練を完遂できたことは心強い。いかなる災害にも対処できるよう、消防、防災体制の強化、充実に努める決意を新たにした」と講評した。