輝く女性研究者賞、太田室工大教授 ソロプチ日本財団表彰【室蘭】
6G実用化に心血注ぐ
室蘭工業大学しくみ解明系領域情報システム学ユニットコンピュータ科学センターの太田香教授が、ソロプチミスト日本財団の女性研究者賞に選ばれた。テーマは5Gの次世代無線通信規格となる「6G」。国際ソロプチミスト室蘭から同賞の受賞は初めてで、太田教授や会員らは喜びをかみしめている。
同賞は女性のさらなる躍進への足がかりとなる機会を与えることを目的に創設。教育や科学技術、環境、平和などさまざまな分野で将来性ある研究をしている有能な女性に対し、研究費を支援している。50歳以下が対象で、本年度は太田教授を含めて18件の応募があった。
太田教授は2020年、情報通信分野で「世界で注目すべき若手女性研究所10人」に日本人で初めて選ばれた。今年4月には科学技術分野の「文部科学大臣表彰若手科学者賞」を受賞した。
研究テーマは「6Gの無線通信の知能化」。6Gは7年後の30年に実用化が見込まれ、特徴として超高速大容量データ通信が可能だが、障害物に弱いデメリットがある。現在の5G以上に基地局の設置が必要で、コストが一つのネックになっている。そのため、基地局を建てず電波を任意の方向へ反射させる板(RIS)を利用し、高周波数帯の利用方法を探る研究をしている。
同賞への応募は20年に次ぎ2度目。太田教授は「素晴らしい賞を頂き光栄です。(国際ソロプチミスト室蘭の)サポートのおかげ。賞を励みに今後も研究を進めたい」と受賞を喜んだ。
国際ソロプチミスト室蘭の前田弘子会長は「諦めずに応募してくれて感謝している。時代の先端を研究している太田教授にふさわしい賞。子ども2人を育てながら研究を続ける姿に敬意を表します」と述べた。
贈呈式は11月8日に東京国際フォーラム(東京都)。支援金の500万円は今後の研究費に充てる。
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