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釧路新聞

雄別鉄道100年 SL部材博物館に展示、東武鉄道の関山課長ら記念講演【釧路市】

除幕式でかつて乗務したSLの部材と対面する剣持さん(左から2人目)と大東部長(左)

 釧路市阿寒町の雄別炭鉱(1970年閉山)と釧路港の間で石炭や貨物などを運んだ雄別鉄道が今年で開業から100年になることを記念し、釧路市立博物館は26日、同鉄道で活躍した蒸気機関車(SL)「C11―1」(2022年から東武鉄道でC11―123として運行中)の部材を東武鉄道から譲り受けたことを記念したセレモニーと記念講演会を行った。

 C11―1は旧国鉄のC11形と同型機で1947年、当時滋賀県内を走っていた江若(こうじゃく)鉄道が発注、日本車輌名古屋工場で製造された。57年に同鉄道へ譲渡され、70年の同鉄道廃止後は、路線の一部を引き継いだ第三セクター「釧路開発埠頭」(99年解散)で75年まで走り続けた。同年の廃車後、江別市の個人の手に渡り、同市内で静態保存されていた。2018年に一般財団法人東武博物館が譲り受け、3年以上にわたる復元作業の後、22年から東武鉄道で運行を開始。現在は「SL大樹」として日光、鬼怒川エリアで活躍している。復元過程で発生した旧部材のうち、運転室側面と炭水庫側面が、今回同館に収蔵されることとなった。

 セレモニー会場となった同館1階のマンモスホールには、市民や関係者ら約40人が詰めかけた。来賓席には協力、協賛した各企業、団体の代表らが並び、その中にはかつてC11―1を運転していた釧路市在住の剣持英作さん(95)の姿もあった。

 式典冒頭で釧路市の岡部義孝教育長は「当時の部品を寄贈いただき、博物館に新たな魅力が加わった。今後も逐次、魅力向上に取り組む」とあいさつ。協力した企業、団体へ感謝状を贈呈した。その後関係者の手により序幕式が行われ、部材が来場者に披露された。寄贈に当たり東武鉄道車両部の大東明部長は「多くの人に見てもらえることをうれしく思う。これを機に、釧路と日光、鬼怒川エリアに多くの交流が生まれることを期待したい」と述べた。約半世紀ぶりに再会を果たした剣持さんは「再び機関車と会えたことに感激している。末永く展示して、市民に愛してもらいたい」と喜んだ。

 記念講演会は約60人が聴講した。前半では同鉄道車両部管理課の関山之郭課長と東武博物館の山田貴子学芸員が、部材寄贈の経緯や同鉄道でのSL運行について講演。運転室側面の寄贈に当たって、SLの雰囲気を残すため屋根の丸みを生かすよう工夫して切断したことや、同鉄道でのSL運行に当たり社員8人が釧路で8カ月にわたる研修を受けたことなどを紹介した。

 SL復活の軌跡を記録した映像を視聴した後、後半では釧路市立博物館の石川孝織学芸員が雄別鉄道のこれまでの歩みを解説。高度経済成長まっただ中を生きたC11―1は「急成長を遂げる釧路をけん引した機関車」と話した。講演参加者にはC11―1ポストカードや東武鉄道クリアファイルなどの記念品が配布された。

 セレモニー終了と同時に始まった展示は、SL部材や同鉄道関係の資料を同館マンモスホール(無料)と常設展示室(有料)で2024年4月7日まで実施している。また、関連イベントとして市内4郵便局で24年8月24日まで、押印している記念風景印と小型印を集めるスタンプラリーを実施しているほか、11月をめどに、廃線跡をバスで巡る見学会も計画している。

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