【根室】ロシアが実効支配している北方領土歯舞群島・貝殻島の灯台が白く塗られているのを２４日午後、根室海上保安部と納沙布岬の北方館がともに確認した。同日には同灯台で何かしらの作業風景も目撃されている。

　例年にない暑い日が続く根室市内。そのためか納沙布岬は霧に包まれる日が続いている。指呼の島々が久々に確認できた１９日には同灯台に変化はなかったが翌日から濃霧に包まれ、２４日午後に白く塗られたと思われる貝殻島灯台が浮かび上がった。

　白塗りされたと思われる部分は、灯籠と土台の間「灯塔」と言われる胴体部分。岬の北方領土啓発施設「北方館」の岩山幸三館長によると、「２４日午後１時５０分すぎに霧が少し晴れ、（貝殻島）灯台が白っぽくなっているのに気付いた」とし、「この間は霧が濃くいつ塗られたかは分からない」という。根室海保も同様で、霧が晴れてきた２４日午後２時３０分ごろ、目視で確認した。

　話題の貝殻島灯台を撮影しようと同日午後から岬に行っていたという市内の販売員、成田友美さん（３３）は「ボートが近づき灯台に移る様子が確認できたのでシャッターを切った」と話していた。

　灯籠の頭頂部にロシア国旗が掲揚されたのが７月下旬、それに続くロシア側の行動に岬周辺でも「何をしたいのか」と首をかしげるばかり。２８日からは洋上慰霊が始まる。

灯塔部分が白く塗られたと思われる２４日の貝殻島灯台。ボートが接岸し作業員も確認できる（午後２時３０分ごろ）

８月１９日の灯台（ともに成田友美さん提供）