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日高報知新聞

ホタルの生態調査や環境保全へ 全国ホタル研究会北海道日高大会【日高】

沙流川流域のホタルの分布状況などについて説明する平村事務局長

【日高】「第54回全国ホタル研究会北海道日高大会」が14、15の両日、町内で開かれ、 全国各地でホタルの生態調査や環境保全などに取り組む23団体から約50人が参加して行われた。

 全国ホタル研究会主催(遊磨正秀会長 事務局・北九州市)で、同研究会はホタルの生態や生息環境の保全などを意見交換することを目的に毎年開催している。  道内開催は、1997年の恵庭市、2018年の稚内市と宗谷管内の豊富町以来3回目。

 14日の歓迎式は、門別総合町民センターで開かれ、日高町内の太鼓愛好者団体「蛍太鼓」が迫力ある演奏を披露した。日没後は、町内富川東の沙流川支流のオコタン川を見学。NPO法人沙流川愛クラブの「ホタル観賞会」でもあったため、約120人が参加し、数十匹のヘイケボタルを確認した。

 15日は、国立日高青少年自然の家で、全国ホタル研究会の遊磨正秀会長が、「ホタルの水・人の水」のテーマで、特別講演した。京都市を拠点に50年近くホタルを研究している遊磨会長は、「ホタルは『文化昆虫』。日本ではホタルに好感情を持つ人が多く、『ホタルのことで家族間での会話がはずんだ』など、ホタルは人と人をつなぐ生き物」と話し、「昔は生活・農業用水など人工的に作られた水路の方がホタルの数が多かった。いわゆる清い水ではなく、少し汚れた感じがする水域だった。人の暮らしや生業の周辺に多く生息していたが、上水道の整備で水路に蓋がされ、ホタルの多くが姿を消した」と指摘した。

 長野県や岐阜県、北海道からは「NPO法人沙流川愛クラブ」のほか、富良野市、空知管内栗山町が発表。

 この中で沙流川愛クラブの平村徹郎事務局長は、主な事業内容と沙流川流域でのホタルの分布状況などを発表。かつてホタル観賞会は、門別町富川(現日高町富川)元町振興会が主催していたが、ここ20年ほど前から同クラブが主催し観賞会を継続。2021、22年の観賞会でホタルの飛翔個体数が前年までと比べ減少したことを説明し、「ホタル生息地上流のサラブレッド牧場改良・近年の気候変動・下流側の浚渫作業などが要因では」と話した。沙流川流域は、アイヌ文化の色濃く残る地域。アイヌ語とホタルの関係・ホタルに関するユカラ(口承文芸)なども紹介した。

 発表を終えて平村事務局長は、「道外と道内の生息状況の違いもあるが、全国23団体の人たちは、深く研究を継続している人たち。北海道日高大会ということで道内3カ所が発表したが、北海道らしさがあったように思う。失ってしまうと戻らない。今回の研究会で得たものを活用し自然を守っていきたい。国立公園化を目前に、環境変化をどのように受け止め、何を残し伝えるべきか、流域内外の人々とどのように共有すべきかを前向きに考えていきたい。このような機会を設けて下さったことに感謝」と話した。

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