函館港に外国船として３年４カ月ぶりに入港した「シルバー・ミューズ」から降り、市内散策に向かう乗客（２５日午前８時２０分ごろ、若松埠頭）

　シルバーシー・クルーズ（モナコ）が運航するクルーズ船「シルバー・ミューズ」（４万７９１トン、バハマ船籍）が２５日、函館港若松ふ頭に入港した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で受け入れ停止が続いていたため、函館への外国客船入港は約３年４カ月ぶり。乗客５０５人はそれぞれお目当ての観光スポットに向かい、早春の函館を満喫していた。

　函館への外国客船入港は２０１９年１１月の「セレブリティ・ミレニアム」（９万１０１１トン）以来。シルバー・ミューズは１５日に大阪を出発し、鹿児島、釜山、新潟、青森などを経由し函館入り。２５日は午後６時に函館を出港し次の寄港地、横浜に向かった。

　午前中、関係者のみで行われた船内セレモニーには、函館から谷口諭副市長と函館港湾振興会の須田新崇会長、函館地区クルーズ振興協議会の長谷川巧会長、函館国際観光コンベンション協会の森健二会長が出席。函館クルーズサポータークラブメンバーとして遺愛高生３人も特別参加し、同船のトマシュ・クラス船長らに花束を贈呈した。

　下船した乗客は昨年完成した函館クルーズターミナルで手荷物検査を行った後、函館朝市やベイエリアで買い物をしたり、バスに乗って市内近郊の観光スポットを巡るなど、函館での思い出作りを楽しんでいた。米オクラホマ州から訪れたリンダ・ヒューズさん（７５）は「函館に来るのは本当に楽しみだった。たくさんの人に歓迎してもらってうれしい」と喜んでいた。

　２０２３年度は函館港に外国船が４０回入港予定で、９隻が初寄港となる。