支援の重要性再認識 地域おこし協力隊員と懇談 白老町議会政策研究会
白老町議会の人口減少に対応する政策研究会(大渕紀夫座長)は22日、町議会議事堂で、会を構成する町議6人と地域おこし協力隊員6人と懇談し、魅力ある地域づくりに向けて活動する隊員らの取り組みや思いに理解を深めた。
同研究会は2020年6月、人口減少に歯止めをかける方策について調査研究するために設置された議会組織。協力隊員の活動は魅力あるまちづくりに貢献し、移住・定住の促進にもつながる―との考えから調査研究テーマに設定しており、21年12月には町に積極的な採用と支援体制の充実を求める提言も行っている。
懇談は、隊員の活動経過報告だけでなく、隊員個々が町内で目指すべき将来展望、町や議会に臨むことなどを把握する目的で開いた。
白老町では16年に協力隊制度を導入し、これまでに20人を委嘱。現在、観光、文化芸術、アイヌ文化、森林ガイドなどの分野で24~42歳の計7人が活動している。
懇談で隊員たちは、町の魅力相関図づくりや観光誘導キャラクターの創出など個々の活動だけでなく複数人で協力して独自の取り組みを展開していることを紹介。町内の空き物件を活用したマルシェ、ワークショップの開催や地域資源を生かしたバスソルトなどの商品開発を進めていることを伝えた。
将来展望としては、「地域振興を核とするNPO法人の設立を目指したい」「広報手段としての紙を生かした白老の魅力発信強化をしたい」といった抱負を述べた。懸念される地域課題には、まちがにぎわうことに伴って増えるごみへの対応、騒音など環境・景観を破壊する「観光公害」への早期対策などを示した。
町や議会には、若年者向け創業支援を積極的に行うことを、多くの隊員が求めた。
大渕座長は「若い隊員が地域を見詰める真剣で新鮮な視点には学ぶところが多い」と述べ、隊員制度の支援施策の重要性を改めて強調した。寄せられた意見や要望は、今秋に控える議員改選期までにまとめ、町に報告するとしている。
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