増協の石塚専務理事らから説明を受ける鈴木知事（右から２人目）

　【網走】鈴木直道知事は16日、網走市内を訪れ、網走観光ホテルの重油漏えい事故現場を視察したほか、市内の環境活動団体などと懇談した。

　この日午後、同ホテル敷地内の現場を見た鈴木知事は、オホーツク総合振興局の担当者や網走漁協の新谷哲也代表理事組合長らから、事故の状況について説明を受けた。

　続いて、現場から70㍍ほど離れた沢の下にある北見管内さけ・ます増殖事業協会（増協）のふ化場を視察。同協会の石塚治専務理事は、ふ化場が取水している白羽川が重油漏れ現場のすぐ近くにあることなどを説明した。

　視察を終えた鈴木知事は「地域の皆さんが、大変心配されている。道としても、ホテルに対してしっかりした対応を繰り返し求めてきたが、今後さらにスピード感を持って対応してきたい」と述べるとともに、ホテルに対しても「皆さんの切実な声をしっかりと伝え、対応してもらうよう求めていきたい」とした。

　網走湖畔にある農山漁村活用体験型ツーリズムの拠点「コネクトリップ」に移動した鈴木知事は、網走川の価値を認識し、維持していくための団体「網走川流域の会」、同拠点を運営する同ツーリズム推進協議会の代表らと懇談した。

　流域の会の会長も務める新谷組合長は網走、西網走の両漁協と津別農協の３者による共同宣言をきっかけに設立されたことや、流域清掃や出前授業などの活動を説明。これらが認められ、昨年11月に環境大臣賞を受賞したことを伝えた。

　同ツーリズム推進協議会の道山マミ副会長も、協議会の設立と同拠点の運営に至った経緯を説明。流氷カヤックやサイクリングなど、さまざまなアクティビティを映像で紹介した。

　こちらも、農林水産省の「ディスカバー農山漁村（むら）の宝」で優秀賞に選ばれたことを報告した。

　懇談後、鈴木知事は「今年はアドベンチャートラベルワールドサミットが北海道で開かれる。アドベンチャートラベルの適地は北海道で、アジアをリードしていくという思いで、新たな観光と位置づけていきたい」と、両団体のの活動と連携して取り組んでいく姿勢を示した。