「ウチダザリガニ防除を」 洞爺湖でシンポ、自然環境保全へ【洞爺湖】
酪農学園大学生ら 地域住民に研究報告
2023洞爺湖生物多様性シンポジウム「いま、洞爺湖の生命と環境を考える」が19日、洞爺湖町栄町の町役場で開かれた。酪農学園大学の学生らが洞爺湖での研究成果を地域住民約30人に報告した。
町と酪農学園大が2009年7月に締結した地域総合交流協定に基づき、同大の学生が地元のNPOや環境省、町などと連携して洞爺湖周辺の自然環境保全に向けた調査研究や実習を行ってきた。
同シンポジウムは町、同大環境共生学類、洞爺湖生物多様性保全協議会の主催。知見を地域住民らに周知する目的で開催。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため開催を中止していた。
シンポジウムは2部制。第1部は同大学生や研究者、修了生の発表で、洞爺湖中島でのエゾシカの生息調査数調査やミズナラの成長と土壌の状態などを説明した。一部はリモートで行った。
このうち、木内拓海さん(水質化学研究室2021年度修了生)は「洞爺湖に定着したウチダザリガニの食性解析」と題し、特定外来生物ウチダザリガニのえさ資源と湖の生態系への影響を調べ、考察した結果を報告。洞爺湖の湖底に分布している種を多く摂食し、植物質と動物質のえさを50%ずつ食べる雑食者で、小型の個体は植物質を多く食べているという。
木内さんは「洞爺湖に生息する限り、捕食圧で湖底の水草や貝類の分布密度が減少する可能性がある」などと述べ、防除の必要性を訴えた。
第2部では、札幌市博物館活動センターの山崎真実学芸員ら2人が、洞爺湖の水草の希少性などについて報告を行った。
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