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函館新聞

函館大火を追体験 中尾さんの解説動画、位置情報連動【函館】

函館大火追体験マップを手掛けた角教授

 1934(昭和9)年3月21日に起きた函館大火にかかわり、被災範囲を追体験できるマップがインターネット上で閲覧できる。箱館歴史散歩の会を主宰する中尾仁彦さん(80)が昨年3月に開催したまちあるきイベント「函館ぶら探訪」での解説動画をリンクし、自宅や現地で大火の状況を学ぶことができる。

 地図アプリ「Stroly(ストローリー)」を活用し、「函館大火追体験マップ」として、公立はこだて未来大学の角康之教授(55)が制作、監修を手掛け、34年発行の被害範囲が記された地図と関連情報を連動させた。

 昭和9年の函館大火は3月21日午後6時53分に住吉町で最初の火災が発生。強風下で延焼域が拡大し、翌日早朝までの半日間で当時の市街地の3分の1を焼き尽くした。死者2166人、行方不明者662人、2万2667世帯が焼け、被災者は10万人以上となり、近代史上最悪の都市災害として知られる。

 中尾さんは昨年3月20、21日の2日間「未曽有の昭和9年大火巡り」と題してぶら探訪を開催。住吉町を出発し、延焼範囲の一端となった千代台町までを歩き、複数の方向から火炎が合流した大門地区や橋が落ちて多くの人が亡くなった亀田川など要所ごとに解説を加えた。

 中尾さんの解説場面を角教授ら参加者が撮影し、29スポット分の動画を地図に埋め込んだ。スマートフォンやタブレット端末のGPS(全地球測位システム)機能と連動し、被害図を片手に散策することが可能だ。2013年ごろから中尾さんの活動に参加している角教授は「中尾さんあってこその活動で、体験を残すことはコンピューターが苦手とする部分だが、地図を見ながら参加できなかった人も気軽に追体験ができるものを残したかった」と話す。

 ぶら探訪は昨年、通算200回を超え、中尾さんは別のテーマで開催した場合でも市内の随所で明治以降の大火の歴史を語り続けている。4月に活動を再開予定で、中尾さんは「昨年の大火巡りでは現地に立つことで印象づけられたと感想があった。函館は大火とともに街が形成され、不幸をバネにして燃えないまちづくりを続けてきた。これからも語り継がれるべきこと」と話している。

 マップは( https://stroly.com/viewer/1662250160 )=二次元コード参照。

https://stroly.com/viewer/1662250160

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