駅周辺再整備に理解を パース図を初公開【釧路】
釧路市が主催する「第2回釧路都心部まちづくりフォーラム」が22日、市観光国際交流センターで開かれた。JR釧路駅周辺の再整備方針やウオーカブルな空間形成をテーマに、基調講演やパネルディスカッションが行われたほか、現時点で市がイメージする駅周辺のパース図が初めて公開され、約300人の出席者が駅周辺のまちづくりについて理解を深めた。
フォーラムは3部構成で行われ、第1部は北海道大学大学院教授の高野伸栄氏が、釧路都心部まちづくり計画の進展状況やウオーカブル化の必要性について説明。再整備後をイメージした5枚のパース図を公開し「あくまでイメージの段階だが、民間の商業施設や公共施設としては文化ホール、市役所の庁舎なども考えられる。また、屋根を架けた空間も設けるなど、人の集まる場所に変えていきたい」と説明した。
第2部は、九州大学特任准教授の高尾忠志氏が講演。長崎市が取り組んだ夜景と駅の再整備事業を事例に、「人口減少が進む中、自治体が投資すべき対象は変わってきている。人と人のつながりや、一人ひとりが持っている能力を十分に発揮できる地域社会にするために投資していくことが重要」と訴えた。
その後、「ウオーカブルなまちづくり」をテーマに全国まちなか広場研究会理事の山下裕子さん、観光クリエイターの原田香苗さん、RINK釧路まちづくりラボの相原真樹さんらを迎えたパネルディスカッションを実施。「車中心の生活で、ウオーカブル化に対応できるかどうか不安」という原田さんの声に、山下さんは「人が集まる環境が複数あれば、歩くようになっていく。街までは車で行き、ついでに行くことができるような施設や環境の整備が重要」と説明した。
また、高尾氏は「ウオーカブル化とは今の生活を変えて歩けという意味ではなく、まちの中を楽しく過ごせる時間を増やすことが主な目的」とし、「バスや列車を待つ中高生の待ち時間を少し幸せにしてあげるだけでも大きな成果。子供たちに必要なサービスを提供してあげれば、とても良い駅になる」と語った。
市都市整備部の青柳充保都心部まちづくり担当部長は「きょうの意見を参考に来年度も引き続き市民理解を深めるためにしっかり取り組んでいきたい」と話していた。
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