コロナ禍でも工夫凝らして交通安全啓発 少人数制で回数増加【函館】
函館市の交通指導員による交通安全教室の今年度の開催状況は、昨年12月末現在で771回と、昨年度を50回ほど上回っている。コロナ禍のため、少人数で複数回に分けて受講を希望する団体が増加したことが理由。主催者、受講者双方からは「これまで以上により深い学びにつながっている」と好評で、市市民部は感染症対策を継続しつつ、「1人でも多くの受講者を増やして、痛ましい事故を1件でも減らせるよう啓発していきたい」とする。
市交通安全課によると、市交通指導員は現在10人で、1日平均3~4件を訪問。受講者の要望や年代、住む地域によってさまざまな異なる事故への注意や交通ルールを紹介する。
2020年度は580件で2万人を超え、21年度は724件で計2万9696人が受講した。今年度(12月末現在)はコロナ禍での小規模開催の要望が多く、幼児(未就学)向けが443件で1万2592人、学生290件、1万4291人、保護者ら13件、126人、高齢者25件、427人が受けている。
教室では、主に幼児には信号や横断歩道の渡り方、小学生は自転車の交通ルールなど、高齢者には身体や判断能力の低下に伴う交通事故に遭う危険性が高いことを伝える。飽きないよう話すだけでなく、ゲームなどを取り入れる工夫も施す。
少人数開催により、指導員からは「受講者一人ひとりの習熟度が把握しやすくなり、より濃く深く内容を伝えやすくなった」とする。
幼児向けは全6回が基本。1月23日には函館大谷短大附属港認定こども園(石山真由美園長)で、最終回の教室を実施。園児36人が参加し、基本的な交通ルールのほか、雪が積もった場合の対応などを交通指導員2人が人形や絵、ダンスも多用して指導した。石山園長は「興味を引くよう工夫した内容で、分かりやすい。特に年長さんは小学校に入学すると通学があるので、交通指導員の視点での安全確認できる機会は重要」とする。
交通安全教室の開催は無料で、申し込み、問い合わせは同課(0138・21・3190)へ。
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