ものづくり大賞で優秀賞 自己治癒コンクリート 苫小牧の會澤高圧コンクリート
會澤高圧コンクリート(本社苫小牧市)は、第9回ものづくり日本大賞(経済産業省など主催)で優秀賞を受賞した。バクテリアの代謝機能を使った自己治癒コンクリートの開発チーム5人が選ばれた。コンクリート業界の脱炭素化に大きく貢献する技術で、同社は「自己治癒の技術が広く知られるようになった」と喜んでいる。
同賞は、ものづくり産業を発展させていくため、特に優秀と認められる人を表彰する制度。2005年に創設され、今回、総理大臣賞2件、経済産業大臣賞13件、優秀賞28件が選ばれた。同社の受賞式は2月に札幌市内で行われる。
同社の自己治癒コンクリートは、特殊培養したバクテリアとポリ乳酸を生コンクリートの製造時に配合。コンクリートにひび割れが発生してもバクテリアの代謝活動で排出する炭酸カルシウムが修復を行う。コンクリートの長寿命化により、製造時の二酸化炭素(CO2)が削減でき、脱炭素社会の実現に貢献することが高く評価された。
現在、自己治癒コンクリートは主に公共事業の土木工事で使われているが、技術を生かした建設資材の開発も進めているという。
今回の受賞について、同社の會澤祥弘社長は「バクテリアの代謝をひび割れの修復に活用する技術の開発には、粘り強い取り組みが必要だった。世界で初めて量産化を成し遂げたチームを誇りに思う」と喜ぶ。
開発チームの酒井亨専務は「受賞できてとてもうれしい。自己治癒コンクリートの量産体制が整っており、ゼロカーボン社会の実現に貢献したい」と力を込めた。
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