十勝管内１６市町村で「２０歳の集い」が行われた８日、各地の美容室は早朝から振り袖の着付けやヘアセットに追われた。十勝では依然として新型コロナウイルスの新規感染者が多く、３年ぶりにインフルエンザも流行期に入る中、各店舗では基本的な感染対策をして対応し、一生に一度の晴れ舞台へと送り出した。

式典を前に美容室は朝から大忙し。一生に一度の晴れの日に向けて出席者を華やかに変身させていった

　市内の「イニシエート　マックスバリュ　イーストモール店」（東４南１６）では朝５時半から順次計１０人を受け入れた。管内全４店舗のスタッフ６人が、要望に耳を傾けながら手際よく着付けやヘアセット、メークを施していった。最近は水引や金箔（きんぱく）を使ったヘアスタイルがトレンドという。

　イニシエート音更店のアシスタント福田彩南さん（１９）＝帯広市＝は、地元士幌町の式典に出席するため、母美穂さん（４２）とともに選んだ黒地に金や銀の花火の柄が入った振り袖に身を包んだ。この日のために３カ月前から月１度ブリーチをして金色にした髪の毛には水引や金箔を飾った。

　彩南さんは「今年は美容師の国家試験を受けるので、まずは合格したい。人として中身を成長してもう少し大人になりたい」と抱負を述べた。女手一つで彩南さんを育てた美穂さんは「成長したなと思います」と華やかに着飾った愛娘を笑顔で見つめていた。