実践さながらの現場で行われた初の３機関合同訓練

　【根室】根室海上保安部、根室市消防本部、根室警察署の３機関合同による初の海面救助訓練が１９日、根室港外海で行われ、参加者が役割分担や救助手順を確認した。

　場所は同港北外防波堤付近。実際に設置されているテトラポット（消波ブロック）を活用した、実践さながらの訓練となった。

　３機関からは計２３人が参加。氷点下４・２度（釧路地方気象台）の晴天の下で始まった訓練は、時折大きな波が押し寄せる中、海面上の漂流者を海保と消防の救助員８人が救出、陸上で待機する根室署員と連携する形で実施。成人男性と同じ重さのダミー人形を活用し、担架でつり上げたり、はしごを海中に伸ばす方法を試した。

　根室海保には今年度、潜水を伴わない海面救助員９人が誕生しており、市消防本部も緊急車両の更新に併せて水面救助活動の運用を開始。８月には両機関で救助や訓練の協力協定を結んでいる。ただ、実際の災害現場では根室署との連携も必要なことから、海保側の呼び掛けで初の３機関合同訓練が実現した。

　訓練を見守った同海保の佐藤昭人次長は「３機関合同で効果的かつ実践に即した訓練となった。機会があれば訓練を重ね、改善していきたい」と話していた。

　訓練は救助手順などを共有するため、参加者を代えて２０日も実施する予定だ。