阿寒湖温泉で行われた阿寒地域部会と摩周地域部会の合同会議

　阿寒摩周国立公園満喫プロジェクト地域協議会の阿寒地域部会と摩周地域部会が２５日、釧路市阿寒湖温泉のニュー阿寒ホテルで合同開催され、ステップアッププログラム２０２５の重点施策として推進する「トレイルネットワーク」構想の進（しん）捗（ちょく）状況などが報告された。

　同構想は、長く歩く旅として楽しめる１本につながったロングトレイルを整備し、歩くことを目的とする人々を誘客しようというもの。阿寒摩周と釧路湿原、知床の三つの国立公園を結ぶ３７０㌔の道のりをつなげ、釧路湿原や酪農、カルデラ、畑作、世界自然遺産など北海道らしい特色あるエリアを歩きながら、厳しい自然の中で開拓してきた人々の暮らしや風土、大自然の神秘とロマンを感じられる世界水準のロングトレイル形成を目指す。

　今年度は想定ルートの全線調査や関係する１３市町村への個別ヒアリング、トレイル関係者との交流会などを実施したほか、地域住民らの理解促進を目的に、来年２月４日に釧路でシンポジウムを開催する予定。来年度は運営体制の整備などを行う。ルートは「（仮称）ジャパンフロンティアトレイル」として、２０２４年夏の全線開通を目指す。

　このほか、弟子屈町の摩周湖レストハウスを改修して７月にオープンした「摩周湖カムイテラス」が１０月までに約２４万人が利用したことなどが報告された。

　環境省釧路自然環境事務所の川越久史所長は「短期的な集客や満足度を高めるのではなく、川湯や阿寒湖畔などの拠点でまちづくりに取り組み、ロングトレイルなど自然にやさしい事業も進めていきたい」と話した。