江戸時代の古道を歩く【えりも】
【えりも】町教委主催の「猿留山道を歩く会」が15日、管内からの15人を含む26人が参加して、6㌔の古道を歩きながら江戸時代の通行の難儀に思いを馳せつつ、眼下にハートレイク豊似湖、彼方に「日本の渚100選」の百人浜と襟裳岬を眺望して秋の山野歩きを楽しんだ。
猿留山道は、220年以上前の1799年(寛政11年)、千島列島に接近するロシアから北方領土を守るため、日高から根室方面に通じる道内初の官製道路として、江戸幕府が様似山道とともに開削した。
全国を測量した伊能忠敬や「北海道」の名付け親とされている松浦武四郎も踏査した山道で、紀行や絵図が市立函館図書館などに保存されている。
その後、1935年(昭和10年)には広尾までの国道(黄金道路)が開通したことで、その存在が忘却の彼方になっていたが、町郷土資料館と支援団体の北緯42度の会、道民ボランティア活動で2002年(平成14年)から3カ年計画で復元し、その後も「歴史の道100選」、「町文化財」と「国指定史跡」として保存活動を継続している。
この日の踏破コースは、バスで庶野国道から目黒への広域林道に入り、その中間点の342㍍地点から紅葉たけなわの猿留山道に入って豊似湖を眼下に見下ろせる沼見峠で休憩。さらに近くの高台から晴天の百人浜と襟裳岬を眺望。下山コースは、左に豊似湖を眺望できる尾根沿いを経由して、広域林道の猿留山道大橋まで6㌔のコースを無事歩き通した。
参加者たちは「6㌔のコースは変化に富んで素晴らしかった」、「体力に自信がついた」などと話し、郷土資料館手づくりの「猿留山道・通行手形」を手に満足気な様子だった。
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